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泣きながらそういったお父さん。
「 じゃあ 卵焼きは?
あの女の人だって
お父さん、
ままなんかどうでもよくなったんでしょ」
山 「 ちがう。違うんだ。
俺はどちらが助けることが出来た。
2人を殺さないで1人助けられた。
なのにどちらも助けないで見殺しにした。
そんな自分が許せなかった。
選べなかった自分をずっと追い詰めてた。
こんな自分だけが幸せになったら
そんなのだめだって思ったら
みほをひとりにさせてた。
でもみほは1人で育って言った。
みほの作った卵焼き。
ママの味にすごく似てて
食べれなかった。
思い出したら
何かが切れそうで
もうどうでも良くなって女に手を出したのも
事実。 でも、
このままずっと隠すのは辛かった。
やっぱり、2人で 幸せになりたい。
こんなぱぱじゃ いや ?」
お父さんも辛かった。
もう終わったことを言っても
もっとお父さんを困らせる。
今が チャンスなのかもしれない。
ほんとうのおやこになれる
今がチャンス。
「 ぱぱ、 ごめんなさい」
お父さんじゃなく
ぱぱっていって抱きついた。
ずっと願ってたお父さんの温もり。
あったかい。
パパが優しく抱き返して
山「みほ。ありがとう」
仮面なんて捨てた。
だってもう私には
もう、必要のないものだから。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。