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バタッ ...
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う~ 足と手から落ちたなぁ。
結構痛い。
あれま、足は変な方向向いてる。
手はちょっと曲がってるかな?
それよりも 周りの怖さで
痛さなんてとんでいった。
いや、とんでいった本当の理由はそれじゃない。
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お父さんが本当に来てくれなかったこと。
お母さんが言ってた言葉を思い出した。
『 あのね、みほ。
辛いことを乗り越えれば絶対に
あなたには幸せが待ってる。
幸せという名のあなたの居場所。
そこはきっと心地よくて
どんな辛いことも忘れられる。
あなたにはきっときっと
素晴らしい未来が待ってるわ。』
空を見上げた。
お母さんが見ててくれてるような
そんな気がした。
涙が流れて
その涙は止まることを知らなかった。
私はなんとか立ち上がり
学校を出て
『 家 』 ではない他のところに行こうと
そう思った。
勝手に足が動いて
前なんて見えてなかった。
?「 みほ !」
? 「 みほちゃん !」
だから誰かが呼んでるのにも
赤い光が示している危険にも
全く気づかなかったんだ _
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。