金曜日。
リビングに出ると
〝 ごめん 〟
たった一言だけ書いてあるメモ。
夢で終わらせたかった。
なのに、現実はそうも簡単にいかない。
涙をこらえて 今日もままに挨拶をする。
「 まま .. みほもそっち行きたいな。
まま...みほもう無理かな。
どうしてこの世界に『愛』はあるのに
みほにはないの?どうしてみほは1人なの?
どうしてみほだけ 幸せじゃないの ..」
チリリリリンチリリリリン
番号を見ると学校から。
みほさんが来ていません。って電話かな。
でなくていいや。
いかなくていいや。
でもうるさくてうるさくて。
「 もしもし!!
遅れていきます。 」
『 そうですか …』
はぁめんどくさいな
準備をして家を出る
_学校 _
「 おはようございます。」
・ ・ ・
ここではあくまで 芸能人 の子供。
だから冷静に。
いつもはみんな
『 おはよ!みほ!』
『遅かったね、大丈夫?』
『今日体育バスケだよ!』
なんてみんな集まってきてくれるのに
今日は静か。 誰も私を見ない。
むしろ
「 ねぇ、 邪魔 。」
「 近寄らないで。 不潔~」
「きも。所詮ぶりっ子でしょ」
「自分は金持ちでお前らとは
違うとか思ってんでしょ?」
「 うっざ。あーあー 泣いてんの?だっさww」
これは世にいう 『 いじめ 』ってやつかな。
気づけば頬には冷たい水が流れてた。
10~15人に囲まれて
『 お前が悪い 』
『 全員に謝れ 』
『 ブス。 ぶりっ子 。 調子のんな 』
怖い。 足が震える。 視界がぼやける。
.
.
私って誰かに必要とされてるのかな
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。