涼介side
「ただいま~って、暗っ!」
『大好きでした。今までありがとう。さよなら。』
さよならってどういうこと?あの報道は嘘って、伝えたじゃん。あの時やっぱり、どうにかしてでも帰えればよかった。
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『りょ~すけくんっ!』
「ん?」
『このあと飲みに行かないっ?』
「わりぃ~、無理だわっ」
『そっか、彼女さん待ってるんでしょっ?』
「はっ?」
『図星って感じだね~!』
今ドラマで共演中の女優さん。しょーじきいってめんどい、いちいち。けど、ウザイとかいえねーし一応、年上だし。
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ドラマの人たちとの飲み会で、俺は帰ったら、芽衣とイチャイチャしたいからあんまり飲まなかった。だけど、アイツめちゃくちゃ飲んで酔っ払っててさ、家がそっち方面ってことで俺が送ってたけど、急に抱きついてきたりしてほんとめんどかった。わざとじゃないから、しょうがないんだけどね。
そういえば、君が元気が無かったのもこの次の日だったな。関係無いけど。
報道人に見つかったのも全同じ感じたった。日が違うだけで。
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『ねぇ~、りょ~すっけくんっ!あの噂ほんとにしようよっ!キャァー。涼介くん顔やばいよ!!』
アイツの悲鳴が鳴り響く。
「お前のせいだよ!!」
『どうゆうこと??』
「お前が酔って、俺に抱きつくからだろ!!そこ撮られてんじゃん!わざとじゃないから言わなかったけど。彼女に出てかれたし…」
『キャハハハハ!ほんと、涼介くんって面白い。んじゃ、私にしてよ。私、涼介くんのこと好きなの!抱きついたのもわざとだよ?だって、好きなんだもん!』
悲鳴の次は笑い声かよ。周りも興味津々だし。
「はぁ!?わざとなのかよ!?おまえのせいでなぁ!!」
『キャァッ』
【やめろ!山田!】
アイツを殴ろうとした俺を周りが止めた。
「はぁ、ごめん、殴ろうとしたのは悪かった…」
『ううん、私だって涼介君のこと騙したし…』
「ごめん、ちょっと、頭冷やしてくるわ。」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。