芽衣side
母『め~い!いつまでここにいるの?』
って、いつもと同じ調子で話すお母さん。
[うるさいな自分の家なんだから良いでしょ!]
まぁ、ね、色々あって今は実家です。それにここ以外いる場所ないし。あそこに戻るわけにも行かないし。君とは会ってない。連絡も見てない。私要らないって言われるのが怖いから。サイテーってことは分かってる、君に申し訳がないとは思うんだけどね…
母『あっ、そう言えばね、こんどHey!Say!JUMPのライブいくんだ~♪』
[は、どうゆうこと!?]
母『お母さんね、圭人くんがすきなのよっ!』
[へ~。]
母『2枚チケット当たったから、一緒に行こうよ~♪』
お母さんは、私が涼介と付き合ってたこと知ってるんだけど…
まっ、いっか、どうせスタンドとかでしょ、アリーナなわけないだろうし、目悪いし、分からないでしょ。それにもう、私のこと忘れてるだろうし。ちょっと、君なるし、君が元気か。もう3ヶ月も経つから元気だろうけどね。
[いいよ!別に…]
母『やったぁ~♪』
[はぁ、なんで、よりによって、Hey!Say!JUMPを好きになったのよ…]
母『だって、カッコよくて、可愛いじゃん♪』
[はぁ…理由になってないじゃん、それ。]
母『いいの、いいの、楽しみだな~♪』
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。