第3話

瞑想.
14
2017/12/30 09:39
今日もいつもどおり学校に登校していつもどおり帰る、そのつもりだった。

「あっ」
「なんだ輝羅じゃん」
「星哉、ってあれ、あんた2年?」
初対面から馴れ馴れしく話すから同じ歳だとおもっていたけど、星哉の制服をよく見ると青色のネクタイをしているから2年なのだろう。
「そうだけど…」 今更?とでも言いたげな表情でぽかんとしていた。
「どうりで見ない顔だと思った」
「よけいにな」
星哉は意味のわからないことを呟いてから、じゃあな と言って玄関に向かって走っていった。

私は朝の「よけいにな」という言葉を理解できずに、1日中授業に集中できなかった。

「今日あんたおかしいよ?」
友達に声をかけられて我に返った。
「なに、また考え事?」
相変わらずこやつは鋭い。これは幼馴染とかいう仲のせいなのだろうか。
「沙奈〜、2年の星哉ってやつ知ってる?」
「星哉?だれそれ知らない」
「だよね〜」
「そいつに告られたとか?!」 沙奈はニヤニヤしながら私を見つめる。
「なわけないじゃん!やめてよ!」
「なんだー」 残念そうな表情をしてから立ち上がると 「まあいいや、一緒に帰ろ」と言われて私は沙奈と教室を出た。
玄関につき下駄箱を開くと、1枚の紙が入っていた。星哉からのものだとすぐにわかった。予想通り星哉からのもので、そこには電話番号とメールアドレスが書いてあり、1番下に 良かったら登録しておいて と一言添えられていた。私は沙奈にバレないように、その紙を制服のポケットにしまった。
「輝羅いくよー」
沙奈の声に「はーい」とだけ答えて帰路を歩きだした。沙奈と帰っていたはずなのに、今日はなぜか星哉のことで頭がいっぱいだった。

((星哉って、何者なんだろう。))

私は1人で思考をめぐらせることにふけていた。

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