習ったことある問題だったけど...だったけど...解けなかったぁ!
私が解けるわけないじゃん!
チョロ松君の独り言が聞こえた。
えっ...埋まったの?あの問題全部埋めたの?!
他の生徒は、ぞろぞろと出ていく。
私はテストで疲れてその場に座り込んだままだった。
やっぱり堅苦しいなぁ...
おそ松君やカラ松君の方が話しやすいかも...
確かに、二人よりは「まじめ」って感じがするけどね
そう言って教室を出て行ってしまった。
私は意味がわからないままチョロ松く...さんのあとを追った。
向こうが私のことをさん付けしてるから、なんとなくこっちもさん付け!
たどり着いたのは塾の中の自習室だった。
授業後は自由に自主勉教ができるらしい...
いきなり連れてこられたかと思ったら、勉強のお誘いだったっていうね...
まぁ、1人で勉強するより誰かとやった方がはかどるんだよねぇ〜
わかんない問題聞けるし!
そう言って、国語、数学、理科、社会、英語のテスト直しを
約1時間で終わらせた。
私一人でやったら多分1日かかっても終わらないと思う...
チョロ松さんが誘ってくれてよかった〜
そう言って、チョロ松さんは部屋を出ていってしまった
〜数分後〜
チョロ松さんは温かいレモンティーを手に帰ってきた
チョロ松さ...君はてっきり、堅苦しい方が大人って感じが好きなのかと
思ってたけど...やっぱり親しく話した方がいいよね!
明日、また一緒に勉強できるかなぁ〜
楽しみ!
これで成績上がれば...お母さんは私に何も言わない!
チョロ松君との距離も縮まるし、テストの点は上がる(かもしれない)し、
まさにこれこそ『一石二鳥』だよね!
〜完(一応)〜
松野家三男→松野チョロ松
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!