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第15話

みさきside❸

1ヶ月の牢屋暮らしは、ひどく辛かったに違いない。

食べものも腐りかけた水だけ……あとは放ったらかし。

着替えも風呂も、トイレでさえ檻から出すことはなかった。


牢屋にいれたのは僕だ。

恨んでいるに違いない。

僕が恐ろしいに違いない。

それなのになぜだろう?

なぜ、彼女はそんな顔で僕を見ることができるのだろう。

なぜ、僕の顔にできたアザを心配しているのだろう。


数日前、医師の手により右腕の手術をした。

ただれた皮膚ごと切除し縫合する。

麻酔もそう満足には使えない。

想像を絶する痛みだっただろう。

あとから医師から聞いた。

手術の途中、一度目を覚ましてしまったらしい。

だが、彼女は叫ばなかった。

ただ、小さく笑って気絶するようにふたたび眠りにおちた。



ーー……



殴られた右ほほがズギスギといたむ。


数刻前の会議で、僕は彼女を殺したほうがいいと言った。結果、正道兄さんを怒らせてしまった。
正道
医師に頼んで女の命を助けたことまでは、百歩譲って許してやる。おまえが気まぐれなのは知ってるからな。だが、そいつをすぐに殺すなんて馬鹿言うな。命をおもちゃみたいに扱うのはゆるさねぇ

……ったく、どの口が言ってんだか。

いままでめいっぱい人を斬ってきたくせに。

まぁ、僕も同じだけど。


気づかれないように小さく笑った。


彼女は一体何者なのだろう。

未来から来たと言っていた。

話をいろいろと聞いたが、理解不能だった。

嘘を言っているように見えない。



とはいえ、やっぱり少女をこのままにしておくことはできない。結局すぐに斬り殺すという案は通らなかったけれど、いざとなればどうにでもなる。



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無自由
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無自由
初めまして。普段は魔法のアイランド様のサイトにて、無自由という名で活動しております。ほぼ18歳推奨の作品ばかりです。 https://s.maho.jp/book/14aab6h33f8c13da/ 福岡県北九州市在住。♀。33歳になっていた。病院勤め一年で退職。その後、スターバックスでフルパートとしてハッピーライフ。一年後貯金がなくなり慌てる。再び看護師へ。25歳で結婚。子ども息子が2人。現在仕事正社員として継続。眠い。
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