私は小さい時から侑李といて、幼馴染で親友だった。でも、侑李は引っ越して、テレビで輝くジャニーズに入ってしまった。私とはもう格が違う。私のこと忘れちゃったかな?
いつもテレビを見てそう思う。バラエティに出たり、映画にも出たりしてる。だからもう、会わないよね。
美奈は私の味方。いつも相談に乗ってくれる。だから今日も乗ってもらおうかな?
待ち合わせ場所のカフェに入った私は美奈を待っていた。
久々に見た侑李。
あなたは下の方を指差した。
取ろうとしてるけど、手に力が入んない。
わたしには気づいてないよね。
だって昔はこんな可愛い服を着なかったし、メイクだってしてない。それに髪は茶じゃなくて黒だったから。
気づかない方がいいよね。
たしかにわたしの頬を冷たい水が流れていた。
美奈には侑李にあったと話した。
その日以来、侑李を見かけることが何回かあった。でもそのたび、弱い私は逃げてしまう。ダメだな...私。
そして美奈はいつもこう言う。
言われると、なんだか勇気が出てくる感じがする。でも私があなただとは言えない。
またある日、私が原宿の竹下通りで働いているお店で一人だった時に、そこに侑李が来てしまったんだ。
私は焦りすぎたあまり、侑李にコーヒーを渡そうとしたら、
こぼしてしまったんだ。
私は迷惑をかけまいと急いで床を拭きまくった。
私は持っていた雑巾を床に落とした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。