第6話

知念侑李
384
2018/01/05 22:59
私は小さい時から侑李といて、幼馴染で親友だった。でも、侑李は引っ越して、テレビで輝くジャニーズに入ってしまった。私とはもう格が違う。私のこと忘れちゃったかな?
あなた

好きだったのにな

いつもテレビを見てそう思う。バラエティに出たり、映画にも出たりしてる。だからもう、会わないよね。
杏奈(あんな)
今日出かけよ!
あなた

いいよ

美奈は私の味方。いつも相談に乗ってくれる。だから今日も乗ってもらおうかな?
待ち合わせ場所のカフェに入った私は美奈を待っていた。
知念侑李
すみませーん!取ってもらえますか?
あなた

(えっ侑李⁉︎)

あなた

あっはい。

久々に見た侑李。
あなたは下の方を指差した。
取ろうとしてるけど、手に力が入んない。
あなた

どっどうぞ...。

知念侑李
ありがとうございます!
わたしには気づいてないよね。
だって昔はこんな可愛い服を着なかったし、メイクだってしてない。それに髪は茶じゃなくて黒だったから。
気づかない方がいいよね。
杏奈(あんな)
あなた!まったー?
あなた

そんなに...。

杏奈(あんな)
って、あなた!何で泣いてんの?
あなた

えっ?

たしかにわたしの頬を冷たい水が流れていた。
杏奈(あんな)
何があったの?言って?
あなた

それが...。

美奈には侑李にあったと話した。
杏奈(あんな)
そっかぁ。それでね。
まぁ、今日あったならまた会うかもしれないし、そしたら私があなたですって言っちゃえば?
あなた

考えとくよ。

その日以来、侑李を見かけることが何回かあった。でもそのたび、弱い私は逃げてしまう。ダメだな...私。
そして美奈はいつもこう言う。
杏奈(あんな)
自分に正直になりなさい。
言われると、なんだか勇気が出てくる感じがする。でも私があなただとは言えない。

またある日、私が原宿の竹下通りで働いているお店で一人だった時に、そこに侑李が来てしまったんだ。
知念侑李
ホットコーヒーください。
あなた

はい。

私は焦りすぎたあまり、侑李にコーヒーを渡そうとしたら、
あなた

きゃっ

こぼしてしまったんだ。
あなた

すぐ拭きますのでっ!

私は迷惑をかけまいと急いで床を拭きまくった。
知念侑李
ねぇ
あなた

へっ⁉︎

知念侑李
そんなに焦らなくていいよ。
あなた...。
あなた

気づいて...たの?

私は持っていた雑巾を床に落とした。

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