と、携帯にラインが来た。
「はあー・・・」
「何かあったの?」
今は、レレナの家に泊まらせてもらってる。
「レレナ・・・。私好きな人が出来た」
「えっ?誰?誰?」
「・・・」
顔をベットに押し付けた。
「もしかして・・。成瀬先生?」
「えっ?何でわかったの?」
「分かるよ~。親友だもん♪」
ポロ・・・ポロ・・・。
思わず涙が出た。
「今日から入寮する、佐藤りんです」
何もないまま、三ヶ月が過ぎた。
私は、寮に入った。
「よろしくね」
この人は、寮長の成瀬裕紀(ナルセユウキ)センパイ。先生の弟。
「はい!よろしくお願いします」
「部屋は303号室」
と、鍵を渡された。
「佐藤。ちょっといいか」
と、成瀬くんに呼ばれた。
「なんですか?」
私たちは、寮を出てレストランに入った。
「どうしたんですか?」
「ステーキ二つ」
と、店員さんに言った。
「実は俺。佐藤の事が好きなんだ」
「えっ?」
「もしよければ、俺と付き合ってくれない?」
「え・・・」
「返事はいつでもいいから」
告白された。初めて。
そうして、私の新しい恋が始まった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!