〜一時間後〜
「いってきます」
「じゃあな。」
「うん♪」
先生の家から、学校までは三駅。
「はよ。」
「夏樹くん!?」
「偶然だな」
駅のホームで、夏樹くんにあった。
「お前の家近いの?」
「うん‥‥」
電車に乗ると、入り口とは反対のドア側に押し付けられた。
「な‥」
「痴漢が多いいから」
と、抱きしめられた。
「痛‥‥」
「我慢しろって」
「どいて‥私大丈夫だから」
振り切ろうとした。
「ヒャッ!」
耳をかじられた。
「何すんのよ・・」
「動いたら噛むぞ」
「‥‥」
それからずっと、抱きしめられたままだった。
プシュー。
電車を降りた。
「一緒に行くか?」
「そんな事したら、噂になるし‥いや」
そう言って走って、学校に向かった。
「りん!」
学校に行くと、レレナに呼び止められた。
「おはよ‥‥。レレナ」
「おはよ。じゃないよ!大丈夫なの?学校中噂になってるよ」
「え!?」
「何話してんの?」
と、夏樹くんが来た。
「夏樹くん‥‥」
レレナの目がハートになってる。
「な、夏樹くん、聞いたんだけど‥今日りんと一緒に登校した?」
えーーー!なんで知ってんのー?
「うん」
と、夏木くんはまんべんの笑顔で答えた。
そして、肩に手を置かれて‥‥。
「俺たち付き合ってるし」
え?え?えーー!
教室中がざわめいた。
「な‥‥何言ってるの‥」
手を引かれて、教室を出て屋上に連れてこられた。
「ちょっと!なんて事言うのよ!」
真っ暗で、自分がどこにいるのかわからなかった。
「先生と抱き合ってたって、言いふらしてもいいのか?」
「それは‥‥」
「困るよな?」
「‥‥」
夏樹くんが、近寄って来た。
「交換条件だ。先生とのこと黙っとくから俺の仮カノになれ」
「‥‥。わかった。いつまで?」
「三ヶ月」
そうして私は、夏樹くんの仮カノになった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。