夜、なかなか眠れなくて俺は朝早くに散歩に出掛けた
眠くなってきて屯所に戻ろうとしたとき、俺の隣で女が転びそうになった
俺はとっさにそれを支えた
ちょっと変な体勢になっちまったけど...
すると、向こう側にあなたがいるのが見えた
すると、あなたは黙って逃げた
目が合ったから気付いてないことはない
俺はあなたを追いかけた
そして腕をつかんで
あなたは振り返って悲しそうな顔をした
何でそんな顔してんだ?
そう思ったとき、あなたの目から涙がこぼれた
あなたはそう言って走って行ってしまった
なんで泣いてたんだ...?
しかし、土方さんから電話で呼ばれたため、あなたを追いかけることができなかった
電話があったわりには早く終わった
土方さんが急に聞いてきた
すると、土方さんはふーんと言って、
そう言って俺の頭を撫でた
チッ、土方のくせに...
でも何故か今日はイラつかなかった
手は払ったけど
そう言って俺はさっきの場所に走った
そこには、あなたと二人の男がいた
知り合いじゃねぇな
俺は男を殴った
すると、あなたの顔が曇り
...は?
彼女...?
何言ってんだ...?
そう言ってあなたはまた俺の前から逃げようとした
俺はあなたの手をつかんだ
ついに告えた
あなたは固まっている
すると、またぽろぽろと泣きはじめた
するとあなたは首を横にふって
そう呟いた
え、それって...
俺は嬉しくなってあなたを抱き締めた
今までで一番強く、優しく抱き締めた
そう言って俺はあなたに優しくキスをした
あなたの顔は真っ赤になった
その姿が、とても愛しく感じた
あなた、俺は昔も今も、そしてこれからも、ずっとお前が好きだ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!