🐰「ヒョン、っ、…」
今、ヒョンは意識不明になり、ベッドに横たわっている。
すぐ起きるという見込みはないらしい。
幸い、怪我は少し浅く、急所も外していた。
恐らく、刺される直前、身を捩り急所は避けたのだろう。
犯人はまだ捕まってないらしい。
早く目覚めてくれればいいが、"すぐ"起きるという見込みはないだけで、ちゃんと目覚めるらしい。
だからか、少し安堵感はある。
目の前で大切な人が死んじゃうなんて、もう経験したくねぇし…
…
🐤「…おはよ〜…」
🐰「…おはよ。」
🐤「あ〜、大丈夫?」
🐰「うん、まぁ…すぐ起きないだけで、ちゃんと起きるって言われたし。」
🐤「…そっ、か、それならよかった…」
言うのが遅くなったが、俺はジミンと同じ大学に通っている。
ジミンがいるだけで何か安心するのだ。
今回の事も、ジミンには話している。
🐤「じゃ、俺もお見舞い行くよ。」
🐰「…うん、ありがと。」
…JIMINside
ユンギ先生、いや、ユンギさんは、
ベッドに横たわっていた。
ジョングクから聞くと、意識不明の状態だと言う。
刺したのは通り魔のようだ。
これ以上被害がでないといいんだけどな。
ガララ…
🐰「…あ、」
🐤「…え、ジン校長…?!」
🐹「久しぶり。ユンギは、大丈夫?」
🐰「はい、ちゃんと目覚めるって…」
🐹「そっか、なら、よかったね…」
ジン校長も大分参っているようだ。
最近の仕事も大変なのだろう。
🐹「…ジョングク君は、大丈夫?」
🐰「…え?」
🐹「…ここ。」
校長はジョングクの方へ近づいて胸をポンと叩いた。
テヒョン先生が俺にしたのは、ジン校長のを見たからだったのか。
🐰「っ、うぅっ、…」
やはり恋人が殺されかけたのだ。
ジョングクも、辛かったのだろう。
あいつ自身、小さい頃に親を亡くしてるから…
ユンギさんのを見て、それを、思い出しでもしたのだろうか。
🐰「っ、俺、目の前にいたのに、ヒョンを、助けられなくて…っ、!ただ目の前で、刺されてるのをっ、見てた、だけで…!ヒョンが、ヒョンが刺されるなら、俺が((んむっ、」
ジン校長がジョングクの口に指を当てた。
🐹「それは言っちゃダメ。」
🐰「で、もっ、!」
🐹「ユンギは、そんな事望んでると思う?」
🐰「っ、」
🐹「本当に、無事でよかったよ…」
🐰「っ、うぅっ、あ、ひぐっ、」
🐹「今まで我慢してた分だけ泣きな?」
🐰「っ、うぁぁっ、…!」
🐭「……何、だ、騒がしいな…」
🐤「…え?!?!」
🐰「ユンギ、ヒョン…?」
🐭「あ、ジョングク、無事か、よかった。…何で、泣いてるんだ?」
🐰「っ、ヒョンっ、!!」
ガバッ
🐭「い、痛、痛い痛いっ!!」
🐰「へ?!あ、すみません!」
🐭「はぁ、まだ治ってないんだから、勘弁してくれよな…」
🐤「ラブラブしてやがる…」
🐹「とりあえず、ほっとこうか。」
🐤「はい。」
🐰「っ、ほんとに、目覚めてよかった…」
🐭「ん、俺もお前が無事でよかったよ。」
🐰「っ、/////」
🐭「何も怪我ないか?」
🐰「っ、はい…/////」
🐭「どうした、顔赤いぞ?」
🐰「無意識かよ…!」
🐤🐹「それなぁぁー!!」
🐭「あれ、ジン校長?」
🐹「気づいてなかったのかユンギ!」
🐭「あ〜すみません。ジミンも来てくれたのか。」
🐤「…はい。目覚めて、よかったです。」
🐭「ん、ありがとな。」
…あ、ちょっと待って。
起きたんなら、先生に言わないといけないじゃん!
🐤「お、俺、誰かに伝えてきます!」
🐭「お〜ありがとな。」
🐹「ていうか、刺されたんだよね?」
🐭「はい。死ぬかと思いました。」
🐹「いや、死なないでよ。」
🐭「ま、傷は浅かったですし。」
🐰「ほんともう、心配させやがって…」
🐭「…心配してくれたのか?」
🐰「っ、当たり前でしょ…」
🐭「…もう、心配はかけないから。」
🐰「そうしてくれないと困ります…」
🐭「お前もな。」
🐰「っはい…/////」
🐹「ねぇ僕の存在忘れてない?」
🐭「あ。」
🐹「…え。」
🐰「…すみません。」
🐹「本当に忘れてたの…?!泣くよ?!?!」
🐭「泣くなら外でお願いします。」
🐹「いや泣かないし!」
🐭「さっき泣くって言ってたじゃないですか。」
🐹「言葉のあやだよ!!」
🐰「…ヒョン…」
…俺なんか悪い事したか?
「ミンさん、目覚めましたか…!」
🐭「あ、はい。」
「予定より早かったですね。」
🐭「ん〜そうですね。」
「あ、えっと、じゃあ、あと数日間入院して-」
🐹「何か話しにくそうだね…」
🐤「ユンギさん、何か変なオーラありますよね。」
🐰「ジン校長とかも何かオーラある。」
🐤「あ、それは分かる!」
🐹「え、嘘、どんなどんな?!」
ジン校長が目をキラキラさせながら聞いてくる。
🐰🐤「バカ。」
🐹「ガーン!!何だよそれ〜!酷くないかぁ〜?!」
🐭(…うるさい。
さっきから先生と話してんのに、全然頭に入ってこない…!
でも、アイツらの言ってる事はよく分かる。
俺もあの人は馬鹿なオーラがあると思う((
「という事でよろしいでしょうか?」
🐭「え?あ、は、はい!」
「はい、ではお大事に。」
🐭「ありがとうございました…」
🐹🐤🐰「ペチャクチャ…」
🐭「おーい、話、終わったぞ。」
🐰「あ、はい!」
🐭「なぁ、俺はどんなオーラなの?」
🐰「え?ん〜なんと言うか…」
🐤「かっこいい?」
🐹「クールで冷静?」
🐰「怖い。」
🐭「それオーラなのか?」
🐤「オーラですよ。」
🐭「でも、怖いってのは何かやだな。」
🐰「だって、いっつも真顔だし。」
🐭「あ〜確かに?」
🐰「笑ったら長生きするんですよ、ほら笑いましょう。」
🐭「わかった、笑う笑うー。」
🐰「…思ってない事は言わなくて結構です。」
🐭「ははっw、ごめんごめん。」
🐰「ゲホッゴホッ!」
🐹「ウッ!」
🐤(あ、2人ヤバい奴いるわ…
🐭「え、ちょ、2人とも後ろ向いてどうした?」
🐰(自覚なしはダメだ!
🐹(無理無理無理心臓に悪い!
🐰「あ〜ん"ん"ッッ!」
🐭「おっ?」
🐰「ヒョン、やっぱり笑わないでください。」
🐭「は?お前が笑えって言ったんじゃ…」
🐹「いや、ダメだユンギ。世界が滅亡する。」
🐭「え、なんで?」
🐰「なんでもです。」
🐤(滅亡すんのはあんたらの心だけだよ…
その後も俺達はずっと話して、楽しい時間を過ごした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。