ガララララ…
🐰「あ…」
全員からの視線が集まる。
いつもの事だから、もう慣れてきたが。
当たり前だ、授業の途中で抜け、また変なタイミングで戻ってくるというのを、いつも繰り返しているのだから。
🐯「大丈夫だったか?」
🐰「あ、はい…」
今日は間違えて前から入ってしまった。
🐯「何があったんだ?」
🐰「そんな大したものじゃないです。」
🐯「あ、そっか…」
ヒソヒソ…
「何なの先生にあの態度。」
「許せないんだけど。」
テヒョン先生は顔が良い、
その上天然なもんだから、
女子によくモテるのだ。
知られたくないだけだし、
先生には申し訳ないが、こういう対応をするしかない。
ガタッ
🐰「はぁ…」
🐤「大丈夫か?」
こいつはジミン。
俺の親友で、いつも俺を気にかけてくれる良い奴だ。
こいつにも、腹痛の事は話していない。
🐰「まぁ…」
🐤「まぁって…お前いっつも保健室行ってるじゃん。まさか仮病?」
🐰「んな訳ねーだろ。」
🐤「じゃあユンギ先生目当て?w」
🐰「はぁ?…ったく…」
こいつは一体何を言っているんだか…
まぁユンギ先生も、
塩と砂糖のギャップ(?)が良いと、
女子によくモテている。
ちゃんと理由はあるってのに…
今までので分かるであろうが、
俺の周りにはイケメンしかいない。
しかもモテるやつ。
テヒョン先生はほんっとに顔がいいし、
ユンギ先生はギャップ(?)というもので、
今隣にいるジミンは誰にでも優しく、
男にも女にも人気だ。
何故こんな人達が俺を気にかけてくれるのか。
感謝の意を表したいところだが、生憎そういうのは得意ではない。
無理にやろうとしても失敗するだけだろう。
キャーーー!!!!
🐰「ビクッ」
🐤「あ、あれは…」
恐らく、廊下にいるのはジン先生だろう。
若くして、ここの校長を務めている。
「ちょっと、ジン先生よ!!」
「何でこんな所にいるのかしら…」
🐰「やっぱりな…」
🐤「何?嫌いなの?」
🐰「…別に。」
「あ、ジミンくーん!!」
🐤「ニコッ」
「キャーーー!!!!」
🐰「はぁ…」
俺はあまりにも贅沢な悩みを持っているようだ…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。