第8話

回想 去年の放課後 1
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2018/02/04 13:57







放課後、私は亜紀と風紀委員がいつもいる教室に向かっていた。



ちなみに、この学園での風紀委員というのはいわゆる警察のようなものだ。


校則違反や風紀を乱すものを徹底的に取り締まる組織……それが風紀委員なのである。



ちなみにその取り締まり方法はえぐいくらい酷いらしいので省略。



「確かこっちだったよねー?」



亜紀が端末の地図を見て通路を指さす。


普段使う通路は覚えたものの、校舎全体となるとまだちょっと不安なのだ。


私も地図機能を開いて確認し、



「うん、合ってると思う!」



廊下の角を曲がってしばらく歩くと。
ドンッ 誰かにぶつかった。



「きゃっ!あ、すみませ…」


「大丈夫だよ。それにしても、こんなところにいたんだね。探したよ、菜波。」



抱きとめられたかと思うと、不意に頭上から降ってくる声。
思わずひっ と声を漏らして顔を上げると、先輩が笑顔で私を見ていた。



「なん…で…」


「今日は俺の部屋に来る予定だったろ?なかなかこないから迎えに来たんだ。
そういえば菜波が部屋に来るの久しぶりだな。いつぶりだったっけな…1週間くらいか?あの時は楽しかったよな。」


「やめて…」



狂ったように喋り続ける先輩に、心の底から恐怖が湧き上がってくる。
体の震えが止まらない。


何で…何でこの人がここにいるの?
私、先輩の部屋なんて行ったことない



「可愛かったなぁ、あの時の菜波。すごいテンション高くてさ、はしゃぎながら俺のアルバム見てて…意外な一面っていうか。いつもよりずっと楽しそうで…」


「いやっ、やめて!違う!!」



出せる限りの大声で叫ぶ。それをものともせずに笑顔で受け止めると、首を傾げて言う。



「何で?…あぁ、もしかして恥ずかしいのか?本当に可愛いなぁ。それに、あの時の顔すごくよかったよ。必死で抱きついてきてさ…俺達そういう相性もいいみたいだよな。菜波も…」


「やめてやめてやめてやめて!!嫌だ、違う!私そんなことしてない!!」



両手で耳を塞いでブンブンと頭を振る。
やめて!もう聞きたくない!!



「忘れてたのか?意外と抜けてるところあるんだな。でもそんなところも大好きだよ。菜波は本当に自慢の彼じ…」


「菜波が、違うって言ってるじゃない!」



亜紀の大声に、私は弾かれたように顔を上げた。

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