り、離婚…!?
私は驚いて、危うくスマホを落としそうになった。
莉世さんは、どんどん涙目になり、ついには涙を流した。
莉世さんは、先生に抱きついた。
やだな。
素直に思った。
先生は、急に抱きつかれて戸惑っていた。
抱きしめ返すか…返さないか。
多分、それを悩んでる。
…抱きしめないで。
私だけを抱きしめて欲しい。
でもその願いは、あっけなく壊れる。
一瞬迷ったうち、先生は抱きしめ返した。
あぁ、もう。
私は体の力が不意に抜け、スマホを落としてしまった。
ゴトンッ
その瞬間、先生がこちらを見た。
目が合う。
なんだか、泣きそうになった。
私はとっさに、スマホを拾って…逃げた。
どうしよう。
一気に不安が押し寄せる。
私は、とにかく頭の中がぐちゃぐちゃになり、先生の家を出た。
ーひとことー
わーお。
うん、見なきゃよかったね。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!