第18話

夜 2
3,556
2018/02/16 07:29
あなた

大丈夫ですか!?
聞こえますか??

私達は莉世さんに駆け寄る。
莉世
うぅ…
私は、莉世さんの額に手を当てる。

うわっ…すごい熱…。
先生
莉世!
あなた

熱がすごい。
多分、風邪だとは思う。
先生、運んで。

先生
分かった。
先生は、莉世さんをお姫様抱っこした。


こんなことでも、こんな時でも、嫉妬してしまう。

でも、元奥さんっていうのもあると思う。
なな
ままぁー?どーしたの
先生は、ななちゃんに話しかけようとして、どうしようか一瞬迷っているようだった。
あなた

ななちゃんだよね?

私は優しく、微笑みながらいう。

こういう時、子供って大人が焦ってたり、怒ってたりするのを感じる。
なな
うん、なな…。
なんで知ってるの?
あなた

私と、この…この人は、ママのお友達なの。
だから、私ともお友達になってくれるかな?

なな
うんっ!いいよ!
素直で、可愛いなぁ。
あなた

よし、じゃあ、今ね。
ママは風邪ひいちゃって辛いの。分かるかなぁ?

なな
風邪?お熱があるの?
あなた

そうなの。
今から、ママをこの人のお部屋に運ぶから、ななちゃんも一緒に来てくれるかな?

なな
分かった。
ママも一緒なら大丈夫だよね?
あなた

ん?どういうこと?

なな
知らない人にはついていっちゃダメ!ってママが言ってたの。
あなた

そっか。なるほど。
普通の人だったら付いて行ったらダメだよ?
でも、私達がママの知り合いだって事は、分かるかな?

なな
うーん、ここに来たのは、ママの知り合いがいるから。って言ってたの。
だから、分かるよ。
あなた

よし、いい子だね!じゃあ、行こっか。

私は手を差し出す。

すると、小さな手が握り返してくれた。
なな
お姉ちゃんの名前は?
あなた

あなただよ〜

なな
あなたおねーちゃん!
あ〜、可愛い!!


って、そんな場合じゃないんだけどね。
あなた

よし、先生行こう。

先生は力強く頷いた。

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