ー次の日ー
今日もプリントが配られ、放課後に準備室に行くことになった。
私は準備室のドアを開けながら言った。
毎度毎度同じセリフをよくもまぁ、
プリントを受け取った先生は、薄い。と呟いた。
ーコンコン
そう言って先生は微笑んだ。
なんだそれ。
私が全員分持ってきたとしても絶対そんな事言わないでしょ。
明日香ちゃんはゴソゴソとバックの中をあさる。
明日香ちゃんは先生に促された席に座った。
そして、先生はその隣に座って問を解く。
さーて、私はどうするか…
昨日は勉強するのが嫌で先に帰ったけど、
後々考えて後悔したんだよなぁ、
だって、放課後の準備室に先生と明日香ちゃん2人きりなんて…
はぁ、正直、このまま2人きりになられると嫌だし、
帰る訳には行かない…かな。
そう考えを巡らせていると、先生が顔を上げた。
私は先生の前に座り、リュックから数学のワークを取り出す。
よし、やるか。
んーと、まずは等式変形かな?あ、違うや。
この公式に当てはめれば良いだけか。
………ん?答えが出ない…
もう1回…っと。
よしきた!
1、2問時終わったところで二人の会話が耳に入る。
図を交えながら話をする先生。
うんうん!と頷きながら話を聞く明日香ちゃん。
こうやってちゃんと質問して、聞いてくれる生徒って、先生にとっては嬉しいんだろあなぁ。
明日香ちゃんの反応が可愛くて思わず笑ってしまった。
その時、
先生は少し笑いながら言った。
あぁ…やだな。
ガタンッ
気づいたら私は立っていた。
2人とも驚いた様子で私を見た。
ボソッと呟いた。
そう言って私は、ワークと筆箱をリュックに詰め込んで準備室を出た。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!