……緊張する…。
もうすでに帰りたい…。
私は今、準備室の前にいる。
あぁ、どうしよう。
いや、でも行くしかないよね。
そうだよ!頑張れ、あなた!!!
コンコン
先生は、いつもと同じように、椅子をこちらに向ける。
でも、私を見た途端、固まった。
私はソファに腰を掛け、
先生は、私の前に座った。
先生は、不意をつかれたような表情をする。
あぁ、やっぱり。
ななちゃんのことになると、先生はやっぱり弱い。
私は先生に止められ、黙る。
けど、先生はなかなか口を開かない。
だから、私は言った。
そこまで言い終わると、急にドアが開いた。
私と先生を交互に見て言う。
本当はまだ話したかったけど、今日は帰ることにする。
私は立ち上がり、ドアへ向かう。
私はそのまま外に出ようとする。
あぁ……
私はその一言で、イラっとする。
先生は何も言わない。
準備室に私の声が響く。
私は、準備室を出て、家に帰った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!