第42話

夕焼け
3,414
2018/03/22 11:15
あなた

うわーっ!
キレーだね!

私たちは、公園に来ていた。


この公園は高台にあり、夕焼けが綺麗だった。
本当だなー。
こんな綺麗だったっけ?
あなた

んね、
記憶も薄れていくもんだよね…

そーだな。

2人共黙り込み、静かに夕陽を見つめた。
なぁ…
あなた

ん?

俺にしとけよ…
あなた

何を?

えっ?
あなた

えっ?

はぁーっ。
あなた

えっ?何、どゆーこと?
何を陸にするの?

ちげーよ。
先生じゃなくて、俺にしとけって言ってんの。
好きだって言ってんだよ。
あなた

え…。
えええぇ!?
わ、私、今、陸から告白されてたの!?

そうだよ。
あなた

そっか…


陸が…私を好き…?


本当に…?


でも私は…
あなた

私は、先生と付き合ってるんだよ?

うん、知ってる。
あなた

それでも私を、奪いたいの?

私は少し冗談交じりで言って見た。
奪いたい。

私とは打って変わり、真剣な眼差しで私を見つめてくる。
俺なら…お前を悲しませたりしない。
絶対に…
あなた

ありがとう…

でも…
あなた

でも…考えさせて。

“考えさせて”か……


本当は、「私は先生のことが好きだから。」って言うんだろうけど…


なんか、その言葉は出てこなかった。
わかった。

こんな話をしている間に、夕陽は地平線の下へ沈んで行った。
そろそろ帰るか。
あなた

うん。

その後、陸が送ってくれると言うので、一緒に帰った。

ーひとことー

あぁ、陸。

危うく「はい!」って言っちゃいそう…笑

プリ小説オーディオドラマ