第8話

すれ違う思い
1,764
2018/01/04 08:32
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。

こんなに走ったのはいつぶりだろう。

坂田先輩の家ってこんなに遠かったっけ…
あなた

つ、ついた。

や、やばい。何も考えずに来てしまった。

絶対嫌な顔されるよね…

でも、今帰ったらきっと後悔する…

よし、行こう。






ピンポーン




心臓がバクバクしてる
坂田
はーい
あぁ、坂田先輩の声久しぶりに聞いたなぁ

やっぱ好きだなぁ

って、坂田先輩が、来る…。



ガチャッ
坂田
えっ、あなた?
あなた

あ、あの!
話があって…

ひ、久しぶりの坂田先輩…

なんか、色々な意味で緊張する…
坂田
あ、そ。
まぁ、入れば
素っ気ないけど家に入れてくれるんだね

やっぱり優しいな。

まぁ多分風邪ひかれたら面倒臭いからなんだろうけどね
あなた

お邪魔します

坂田
そこ座ってて、
何飲む
あなた

えっ

まさか、坂田先輩がそんなこと言ってきてくれるだなんて思ってなくて思わず聞き返してしまった。

そしたら坂田先輩は「めんどくせぇな」みたいな顔をしながらもう1回聞いてくれた
坂田
だから、何飲みたい
まぁ、ココアか珈琲しかないけど
あなた

じゃ、じゃあココア…

私の答えを聞いて坂田先輩はすぐ「ふぃっ」って言ってキッチンの方へ向かった

するとすぐにココアの甘い匂いが漂ってきた。

あれ、この匂い…
あなた

うらたさん家のと一緒…?

坂田
そうだけど、なんで知ってんの
ビクッ



急に来たからびっくりしちゃった。

なんで、って言われたら言うしかないよね…?

うらたさん殴られないよね…?
あなた

その前に話を聞いてほしい。

坂田
はなし…?
そう呟く坂田先輩に向かって私は頷き話を始める
あなた

あのさ…

昨日の夜、坂田先輩女の人といたよね?

坂田
…は?
坂田先輩は「なんで知ってんの」みたいな顔で見てくる。

やっぱりあれは坂田先輩だったんだ…
あなた

昨日、うらたさんの家行っててその帰りに外出たら坂田先輩みたいな声がして振り向いたら坂田先輩と知らない女の人が腕組んで歩いてたっ、

あなた

それに前から、坂田先輩からっ、甘い匂いしてて、私とは話もしてくれないし、顔も合わせてくれない…!
ねぇ、なんで?もう私のこと嫌いなの!?
だったら一言「別れよう」って言ってくれればいいじゃん!
辛いんだよ、ずっと待ち続けてるのは…

坂田
あなた

何か言ってよ…!

坂田
ねぇ、
坂田
なんで、うらさん家にいたの?
なんでうらさん家と俺ん家のココア一緒だってわかったの?

ふざけんなっ!お前だって浮気してんじゃねぇかよ!
お前の方がもう俺のこと好きじゃねぇんだろ!?
そんなに別れたいなら別れてやるよ。
はいはい。さようなら。
もう二度と来んな
えっ、なにそれ…

ただうらたさん家には話聞いてもらっただけなのに…
あなた

つっ…!

ガチャッ!











私はいてもたってもいられず鞄を持ち坂田先輩の家を出た。

なんで、あそこまで言うの…?

私はずっと好きに決まってんじゃん…
あなた

ばかっ…

私は1人泣いて歩いてた

そしたら後ろから
なに泣いてるの?
誰かの声が聞こえた

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