第10話

通じる心
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2018/01/05 00:26
引きずられて歩くこと数十分。

やっと坂田先輩の家に来た。

坂田先輩は
坂田
寒いだろうからココア作ってくるから待ってて、

逃げんなよ
って言い、キッチンの方へ向かった

流石に逃げないよ…。
坂田
はい、ココア。
あなた

あ、ありがとう

坂田
おう
あなた

坂田
めっちゃ気まづいんだけど…!?

この沈黙が辛い。



そんななか口を開いたのは坂田先輩だった。
坂田
俺の話を聞いてほしい。
言い訳になるかもしれない。
でも聞いてほしいんだ
真面目な顔だけど、苦しそうな、切なそうな顔されたら断れないじゃん…
あなた

分かった…

そういうと坂田先輩は「ほっ」とした顔で「ありがとう」って言ってきた。
坂田
他の女とホテル行ったことはごめん。それは本当。でもそれは、あなたにこっちを向いて欲しかったから。嫉妬して、もっと好きになってもらいたかったから。今思うとほんとに馬鹿だよな。そんなことしてもあなたが傷つくだけなのに…
本当にごめん。許してもらえないだろうけどごめんなさい。
あなた

えっ、何その理由…

「馬鹿じゃないの?」って言いたいけど口がうまく動かない。

まるで

『今はそれを言うな』って言われてるみたい







私も聞きたいことがあるんだ…
あなた

坂田、先輩、
私、聞きたいことがあります

坂田
ん?どうしたの?
あなた

坂田先輩、浦島坂田船でいる時ずっと私のこと言ってるって本当ですか?
それに、「坂田先輩」呼びが嫌だって…

坂田
えっ!?
だ、誰から聞いた…?
みるみるうちに赤くなっていく坂田先輩の顔、

その顔から嘘じゃないことが伝わる
坂田
ま、まぁ浦島坂田船の誰かやね
(あいつら…)
あなた

ねぇ、本当なの…

坂田
あいつらが言ってることは全部本当だよ。
まぁ、呼び方のやつまで聞かれてるとは思わなかったけど…
本人の口から本当のことが聞けた…
あなた

なんで言ってくれなかったの!?
呼び方なんてすぐ変えたもん。全部言ってよ…
坂田先輩が分からない…

もう分からない。

何が本当なのか。どこまでが偽りなのか。

坂田先輩のしたいことが…
坂田
ごめん、こんなこと言ったら迷惑かもしれないけど…
俺、今でもあなたのこと好きだよ。
嫌いになった日なんてないし、これから好きでい続ける。
本当の俺は嫉妬深くて、ずっと俺だけを見てほしいって思ってて…
俺のことを坂田先輩じゃなくて、さかたんとかもっと砕けた感じにして欲しかった…
あなた

坂田、先輩…
ごめんなさい、そんな気持ちでいるのに気づけなくて…!
ねぇ、坂田先輩?
私もまだ坂田先輩のこと好きだよ…?
でも、もう無理なのかなぁ…

きっと無理だよね、諦めるしかない…

もう、帰ろうかな
あなた

さかたせんp

ギュッ
坂田
ねぇ、俺たちやり直さない?



あなた好きです。
もう1回、俺と付き合ってください
あなた

おねがいっ、しま、す!!

まさか、そんなこと言ってくれるなんて思わなかった…!
あなた

今度からはっ、ちゃんと言って、ね?

泣いて上手く話せないけどちゃんと聞き取ってくれた
坂田
もちろん、もう離さない。

あと、坂田先輩じゃなくて、さかたんって呼んで?
あなた

さかたん…///

めっちゃ恥ずかしい…///

でも、坂田先輩、んーん、さかたんのためだもんね
坂田
ふふっ、可愛い((チュッ
大好きだよ。

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