引きずられて歩くこと数十分。
やっと坂田先輩の家に来た。
坂田先輩は
って言い、キッチンの方へ向かった
流石に逃げないよ…。
めっちゃ気まづいんだけど…!?
この沈黙が辛い。
そんななか口を開いたのは坂田先輩だった。
真面目な顔だけど、苦しそうな、切なそうな顔されたら断れないじゃん…
そういうと坂田先輩は「ほっ」とした顔で「ありがとう」って言ってきた。
「馬鹿じゃないの?」って言いたいけど口がうまく動かない。
まるで
『今はそれを言うな』って言われてるみたい
私も聞きたいことがあるんだ…
みるみるうちに赤くなっていく坂田先輩の顔、
その顔から嘘じゃないことが伝わる
本人の口から本当のことが聞けた…
もう分からない。
何が本当なのか。どこまでが偽りなのか。
坂田先輩のしたいことが…
きっと無理だよね、諦めるしかない…
もう、帰ろうかな
ギュッ
まさか、そんなこと言ってくれるなんて思わなかった…!
泣いて上手く話せないけどちゃんと聞き取ってくれた
めっちゃ恥ずかしい…///
でも、坂田先輩、んーん、さかたんのためだもんね
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。