教室での先生の挨拶も終わり、体育館に移動した私たちは長々と続く祝辞を聞いていた。
まだ覚えてすらいない校歌を先輩達が歌い上げ、式は終わりを告げる。
どうやらこの次は部活紹介のようだ…
たくさんの部活が紹介されていく中、私は部活に入るかどうかを悩んでいた。
そんな時間も過ぎ去り、私たちはまた教室へと戻される。
そう言ってフッと笑う。
私が最大限に出している話しかけんなオーラに気づいたのだろうか…
彼はそれきり話しかけては来なかった。
この人と話してると、何故だか落ち着かない…
きっと、目立つからだろう。
《 キーンコーンカーンコーン 》
学校が終わる合図が鳴り響く。
その言葉と同時に生徒は解き放たれる。
女子が一目散にこちらに向かって駆けてくる。
目的は…そう、隣の彼だ。
この騒ぎに巻き込まれたくなかった私は、急いで片付けて帰ろうとした。
突然だった。
彼がそう言ったのは。
あぁ、私はこうなることを恐れていたんだ。
この人はなんで私にバイバイなんで言ったの?
正直すごく迷惑だった。
出会ったその日からだった。
彼を嫌うようになったのは。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。