昼休み…
手紙の通りに俺は学習室へと向かう。
行かないという選択があるのに行くこと…
それは俺の優しさなんかじゃない。
女が散々に傷つくところが見たいから。
緊張でワナワナしてる。
無様だな。
ほら、告白。
無駄なことなのに…
変な期待ばっかしてさ、ほんとに可笑しい。
俺は憐れなその子の唇を奪う。
これで何とも思ってない女とキスするのは何回目くらいだろうか…
単純だなぁ、キスで喜ぶとか…
こうやって嘘の言葉で、笑顔で心を蝕む。
可哀想な相手は俺に身を委ね、俺の腕の中で喘ぐ。
行為を終えた俺は、何か喋っている女を無視し、あいつのいる教室へと戻る。
ほら、面白い。
尻尾を振ってついてくる馬鹿とは違う。
あぁ、こいつ好きだなぁ…
飽きなくて。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。