私の呟きは、意外にもあっという間に拡散された。何人か、リプやDMを送ってきてくれた人もいて、順調に進んでいた。
夏休み。炎天下の公園で、しんちゃんと私はスマホを見ていた。
岡本さんは、私の呟きに、いちばん最初に反応をくれた人。本人は、ゲイだって言ってるし、今のところ、嘘をついている感じはしない。
しんちゃんが会ってみたい、と思うのは当然のことだけど…
そう、岡本さんは大阪の人で、ここから大阪に行くには、飛行機に乗って行かないといけない。そもそも空港までが電車かバスに乗っても、かなりの時間がかかる。
二人同時にため息をついた。
ピコンピコン
岡本さんは、真面目って感じの文章をいつも送ってくる。だから、こっちまで自然と真面目な文章になってしまう。
私の提案に、しんちゃんも頷いてくれる。
この岡本さんのメッセージから、私としんちゃんの運命は大きく変わってく……のかな?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!