第16話

偶然4-5 しんちゃんは人気が出る顔。
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2018/01/27 07:27
写真に写っていた場所がどこなのか分からず、立ち止まっていた私をさとるんくんが引っ張ってくれる。
さとるん🗿
こっちやで
走って写真の場所へ向かう。ここからすぐの場所らしい。
サイバーマン👴🏻
この辺ちゃう?
確かに、写真の場所とは同じだけど……
はやしん🌴
そら、ずっと同じ所にはおらんよな…
しんちゃんの姿はなかった。
あなた

はぁ……

まーちん🙄
ため息ついちゃダメよ、まだ探しましょう
まーちんが私の背中をたたいてくれる。
かめむし🐢
これ、まだこの辺やで
かめむしくんが見せてくれた写真には、しんちゃんと岡本さん。写っている場所は、ここからそう遠くないらしい。
かめむし🐢
まだ走れるか?
私を気遣ってくれるかめむしくんに頷いて、走り出す。私よりも、かめむしくんの方が疲れていそう。それなのに気遣ってくれるなんて、優しい。
はやしん🌴
さっきの写真がこの辺やから…
サイバーマン👴🏻
もうちょいあっちに行ってるかもな
ここがどこかもわからない私は、ただついて行くだけだった。
さとるん🗿
あ!あれ!
辺りを見渡していた時、さとるんくんが急に叫んだ。
あなた

しんちゃん!!

すぐに人混みの中に消えてしまったが、あの後ろ姿はしんちゃんだった。
まーちん🙄
早く行きましょう
一斉に走り出す。人混みをかき分けながら進んでいく。
あなた

しんちゃん!!

私が叫ぶ声も、人混みに消えていく。だけど、しんちゃんには聞こえたのか、それとも偶然なのか。しんちゃんが振り向いた。
あなた

しんちゃん!!ここ!!

さっきからしんちゃん、しか言ってない。それ以外の言葉は出てこない。
なにか言おうとしたけど、すぐに前を向いてしまった。いや、向かされた。岡本さんが耳元で何か言っているのが見えた。私の視力は、裸眼で1.5なんだから!
私が着くよりも先に、さとるんくんがしんちゃんの元へ着いた。
さとるん🗿
あんた、何してるんですか?
岡本さん
何のことかな?
岡本さんは、怖いくらい冷静な顔をしている。
あなた

岡本さん……?

岡本さん
あぁ!あなたちゃん!もう気づいたんだね!
岡本さん
でも、君たちもいけないんだよ?SNSのやり取りだけで僕のことを信用するから
あなた

何するつもりだったんですか……

岡本さんの顔は見れなかった。ずっと笑顔が張り付いていて、怖かったから。
岡本さん
うーん、しんのすけくんはね、可愛いからすっごく人気が出ると思ったんだけどなぁ
しんのすけ
…………
しんちゃんは、岡本さんから腕を組まれたまま立っていた。よく見ると、震えていた。
サイバーマン👴🏻
お前、何あほなことゆーてんねん!
さいばくんが、大きな声で詰め寄る。だけど、岡本さんは微動だにしない。
岡本さん
まあ、今回は諦めるよ
組んでいた腕を離して、去っていこうとする。さいばくんが引き留めようとすると、
岡本さん
言っておくけど、僕はまだ何もしていないんだよ。だから捕まることもない。分かるかな?
それだけ言って、岡本さんは人混みの中に消えていった。
聞きたいことは山ほどあるけど、まずはしんちゃんが見つかって、本当に良かった!!

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