第2話

過程はいいから結果を下さい
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2018/01/05 06:39
分身・・・
私ともう1人の私の影が地面に伸びている。

「もう1人自分がいたらって言ったでしょ?そんな願いが私を呼んだんだよ」

確かに言った。さっきの友達と話しているときに。

「自分の分身いたら楽だよね〜!」

ということは・・・

「何か私が頼むことをしてくれるって事?」

「うん、そう!」

ふーん・・・これは使える・・・

「じゃあ、早速お願いしても良い?」

「うん、何でもするよ!私はあなたの・・・分身だから♪」

と分身は言うと、少しゾッとするほどの笑顔でニタァと笑った。

宿題の「いじめ防止促進ポスター」。
正直言ってしまうと、私はいじめなんてどうでもいい。

「これ、頼んでも良い? 過程はどうでもいいから、結果だけが欲しいの」

「了解☆」

頼むと、分身は部屋を出ていった。

「過程より・・・結果ねぇー・・・、本当にそうかな?」

そうつぶやくと、分身はまたニタァと笑った。



私はこの分身に名前をつけた。鏡子だ。鏡にうつしたように同じだからという意味で付けたのだが、凄く喜んでいた。それを見ていると、
「私って喜ぶときこんななんだ・・・」
とか、改めて自分を客観視出来る。

鏡子に頼むことが益々増えた。

私は気づかなかった。

自分が勝手に狂った正解を作り上げていることに。

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