第6話

6 . 先生の悩み①
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2018/01/06 12:09


それから私は毎日放課後数学準備室へ通うようになった。


最初は私の悩みをひたすら解決しようとしていた先生だったが、

少しずつ自分のことも話すようになってくれた。


そして授業中はひたすら得た情報をまとめる。
そしてどのように動けばいいか、などをノートに書き記す時間になった。





『先生救済計画ノート!』
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12/3
これから数学準備室へ通えることになった。
先生にはやっぱり悩みがあるらしい。
身内の関係で少し悩んでる…らしい。

12/4
授業中先生は力強く自分のやりたいことをやるべき、人に干渉されてなにかをやるべきでない。と言っていた。その時の先生の表情がなんだか苦しそうだった気がする。

だとしたら…
先生はやっぱり父親に医者への道を強く進められて病み自殺したのだろうか…?

数学準備室では、俺の親父は怖い。と苦笑いしていた。何をしだすか分からないから従うしかない。と少し暗い表情を見せてきた。

ここまでのことを考えると、
やっぱり先生はつよく父親に干渉され、自殺。
の可能性が高い…けど、今の先生には自殺を選ぶ雰囲気はない。事件当日の先生は何をしてるのか…を知るべきである。

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こんな感じにまとめている。

そして12/5の今日も先生のいる数学準備室へ向かう。



タイムリミットはあと…2日。



ガラララ



「失礼…します」

「お、南雲ー。今日はちょっとくるの遅かったな」



そう言って先生は顎で私にそこに座れと合図してきた。

先生が死ぬことを知る前の私なら…
この状況にどんなにドキドキして浮かれてただろうか。


先生は女子に慣れてるのかわからないけど、スキンシップが多い。

まあこんなにイケメンなら、
誰も放っておかないだろう。




「なあ。南雲…」

「…はい?」

「もし、お前がしたくないことを無理矢理強いられたらどうする?」



先生は急に声のトーンを下げて、
私にこんな話を持ちかけてきた。



「…断るかな。」

「相手が…させるためなら何をしてきても分からないような人でも?」



そう言って、はぁ…と先生は机に顔を突っ伏した。

……もし、このことが
先生自身のことなら。



先生は身内(父親)に医者への道を強く干渉されて、否定したところ父親に…という可能性もゼロではない。

といっても自殺と言われてるから、
限りなくゼロに近いであろうが。



「それって…先生がお父さんに医者になれ、と強く干渉されてることですか」


さりげなく聞くつもりがど直球で聞いてしまった。

先生は驚いた顔をしたが
すぐに表情を変えて


「すげぇや…。南雲最近よく俺のこと知ってるな?」


と言った。


「それは好…じゃなくて、前、噂で聞いた方があったんです。職員室でそんな話を聞いたって」


危なく好きだから…と言ってしまいそうになった。

_______先生に聞こえてませんように。

と思ったが、聞こえてた…のかもしれない。



「いま、なんて言おうとした?」

そう言って先生は座ってる私の腕をグイッと引っ張った。
その勢いで私は立って先生の方に引き寄せられる形になった。



_______え、何この状況。

先生が私の目をじっと見てくる。


真っ赤になりそうなのを必死に抑え、
なんて言おうか考える。



「南雲、最近俺のことよく知ってるし、積極的になったし…もしかして」

「せ、せんせ…もう暗くなっちゃいましたね…」



話を遮るように外を見るフリをする。

今は先生に好きってバレて、
この場所に来るな、と言われるわけにはいかない。
先生を無事助けないといけないから…。

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