第8話

8. ノート
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2018/01/07 04:51





『先生救済計画ノート!』
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先生の家の場所がわかった。
恐らく父親が遺体の第一発見者とすれば、
自宅で亡くなった可能性が高い。
事件当日は先生自宅付近にいた方が良いだろう。
先生は酷く父親に怯えてるようだ。
もしかしたら……父親が、
なんて最悪な自体も考える必要がありそうである。

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「…?ツッキー何書いてるの?」

「う、うわぁっっ」


先生の情報が順調に集まっていく中、
先生の死亡時刻へのタイムリミットが迫っていく。

そして休み時間の今も先生の『先生救済計画ノート!』に昨日のことをまとめている途中だった。



「つ…ツッキー?」

「ご、ごめん優香か…」



誰にも見られてはいけないこのノート。
見られたら私が頭おかしい人と思われてしまう…

ふぅと一息ついて呼吸を正す。



「さ、最近ツッキー変だよ?寝不足そうだし、常に考え事中だし…」

「そ、そんなことないよ…」



優香にはやっぱりバレてしまうのだろうか…。
一緒にいる時間も多いし、
優香も鋭いところあるからな…。



「ツッキー…悩んでることがあったら言うんだよ…?」



優香はそう言って私の頭を撫でてきた。

いきなりのことでびっくりした…。
確かにそういえば、
常に先生を助けることに夢中で、
なにもかも疎かにしていた気がする。



「優香、ありがとう…」



明日…。明日先生を救えれば。
明日を変えればきっといつも通りに戻る。



「ううんっ、そんなツッキーには私が学食のプリン奢ってあげよう〜!」

「…嬉しい!」



優香が私の手を引っ張って走り出す。
本当にいい親友を持てたな…なんて。



パタリ






その勢いでノートが落ちてしまったことに気づかず私は優香と学食に走り出してしまう。



『ん…このノート…南雲の落し物か?先生救済計画ノート…?』


『……これって…』




このノートを見られることで、
事件が大きく進展すること。
真実がだんだんとつかめてくること。


この時の私はまだ知らず、
呑気にプリンを食べている最中であった。

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