気持ちを伝えて、“今までの関係を解消”
……つまり、
心にもないことを、美也へと送る。
だからって……!
今までの関係から抜け出した、好き同士なはずなのに、何で、恋人になるという選択肢がないんだ……
(素直に応援はできないけども……!)
正直、美也と写っていたあの先輩をみたとき、
お似合いだな、なんて悔しいけど、思った。
あの笑顔だけで、わかってしまうくらいに、
あの先輩は、美也が好きに違いなかった。
俺はちゃんと、美也を見てきたつもりだ。
メッセージのやり取りだけでも、嘘ってことくらい、見抜ける。
これは美也の“強がり”なんだ、と。
そして、必死に、泣くのを我慢してる姿も、想像できてしまう。
美也は強いんじゃない、
“強くあろうとするだけ”だ。
本当は誰より弱くて、脆くて、繊細なんだ。
なら、俺ができることは、
“彼氏として”、最後に美也にしてあげられることは
美也と、別れてあげることだ。
本当は、確認なんて、必要ない。
だけど俺には、その権利くらいあるはずだ。
大丈夫だ、この人……和臣先輩になら、美也を任せられる。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。