あの日から約二週間。
美也ちゃんの彼氏(翔くん)に言われたことを改めて考えるが、未だ答えが出ない。
美也ちゃんからのメッセージも既読をつけたまま、どう返していいか、わからないでいる。
美也ちゃんに気持ちがあるのは確か、だと思う。
でも俺も、美也ちゃんには自由になって欲しいから、もう関わらない方がいいと思ってた。
だけど今、やっと、わかった気がする。
あのときモヤモヤしたのは、本当はまだ、関わりを持ちたかったから。
美也ちゃんとの繋がりを、切りたくなかったから。
美也ちゃんと俺の事情を考えたら、今すぐに恋人になるとかじゃなくて、関わりを切らない、というこが、“今の答え”である。
さんざん悩んで、答えが出なかったのに、思えば、簡単なことだったのかもしれない。
解消=全く関わらなくなる、というわけじゃないから。
それが何故か面白くて、ひとり、笑ってしまった。
今はまだ、先輩後輩として、
新に、スタートしよう。
いつか、恋人になれたら、
……なんて。
幸せになってほしいなんて思っているけど、
結局は。
あ。
俺もけじめとして
……ちゃらい、とか言われちゃうかな。
明日が、楽しみだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。