祖父
珠咲、こんな遅くに
どこをほっつき歩いていた。
珠咲(すざく)
訂正してください。
ほっつき歩いてなどいません。
この家の空気が不味かったので
珠由お兄様に
外へ連れて行って貰ったのです。
祖母
この家の空気が不味かった…ねぇ~。
それなら本家(うち)に来ればいいじゃない。
空気はとても綺麗よ。
珠咲(すざく)
では、それを私は人身売買として
受け取ってもよろしいでしょうか?
祖母
ふふっ…
なかなか面白いわね。
まぁ、それでいいわ。
珠咲(すざく)
それなら、私が行くか行かないか
言わずとも分かりますよね?
祖母
そうね…理由が欲しいのかしら?
珠咲(すざく)
理由意外に何があるのですかw
祖母
貴方を欲しい理由ね。
はっきり言えば“金儲け”よ。
珠咲(すざく)
はあ?
祖父
ばっ、ばあさん!?
祖母
うるさい。
貴方を買いあの方々に買っていただく。
私たちはホテル経営で金を儲ける。
ただそれだけの話よ。
珠咲(すざく)
その腐りきった考えを
よく人間の脳から編み出せましたね?
祖母
あら、気に入ってくれたかしら?
珠咲(すざく)
私の言い分は不可ですか。
断る意外の言葉がありませんね。
祖母
断る?貴方に出来るの?ww
珠咲(すざく)
してやりますよ。
私はあなた方の本家へ居座ろうとなど
思いません。
──失礼します。
珠咲は応接室を後にした。
珠広
大丈夫か?珠咲。
珠由
ごめん、俺のせいで。
珠咲(すざく)
大丈夫です。お騒がせ致しました。
珠広兄様、珠由兄様。
珠咲はそのまま、玄関のエントランス前に堂々と伸びた中央螺旋階段へ上がろうとした
──そのときだった。
宮子さん
待ちなさい、珠咲。
珠咲(すざく)
なぜ貴方に上からものを指図
されなくてはならないのでしょうか?
父(春彦)
珠咲!!宮子を貴方とは何だ!?
お母様だろ!
珠咲(すざく)
血縁関係の無い自称母親の人間を
ですか?ww
父(春彦)
宮子はお前の母さんだろ!
珠咲(すざく)
“お前?”
少々お言葉に気をつけた方がいいですよ?
私も貴方の言葉に刃を向けて
“お前”と呼ばせていただきましょうか?
父(春彦)
…わかった。
だがな、他人行儀にだけは…
しないでほしい。
珠咲(すざく)
はい。
で、宮子さん。何のご用でしょう?
宮子さん
お父様…いえ、春彦さん。
珠咲を…あの子を本家へ渡しましょう。
珠広
えっ?
珠由
は…?
先程まで黙って聞いていた兄たちも
宮子のその言葉に驚愕を隠しきれなかった。
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第20話 古賀の企み③
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。