第46話

珠早と千樹
79
2018/01/27 12:19
佐藤先生
──やめ。
終了です。
では、休憩に入って下さい。
やめ。

の声に気づいていないで弾き続けている人。
そろばんの音で彩られた部屋は、“やめ。”の言葉でそう簡単に落ち着きを取り戻すことはなかった。
珠咲(すざく)
千樹先輩
千樹
どうした??
珠咲(すざく)
この掛け算なんですけど。
千樹
これか。
…こういう問題は使わない位を削って
計算すると早いと思うよ。
後で四捨五入の手間が省けるしね。
珠咲(すざく)
そうですね…
わかりました!
珠由
おーい、珠咲ー
珠咲(すざく)
珠由お兄様!
珠広
おいおい珠由。
珠咲の前に千樹君に挨拶だろ?
ごめんね、千樹君。
千樹
いや、気にしてないですよw
ヨシ先輩が妹思いの人とは
知っているので…
珠早
それ、遠回しにシスコンって
言ってるもんだろ。
千樹
……だれですか?
この小さい子。
珠早
アァ?小さいだと?
珠咲(すざく)
怒らないで珠早!
千樹
珠早って、弟くん?
珠咲(すざく)
はい。小学6年の珠早です。
珠早
誰だよそいつ。
千樹
僕はね、島ノ瀬の珠算部、
部長の三筆千樹。
よろしくね。
珠早
来年いなく何だろ?
よろしくもなにもねぇよ。
珠咲(すざく)
珠早!先輩に失礼よ!
千樹
いいよ、確かにそうだから。
きっと珠早くんは珠算部なんかの三流部活じゃないとこに入るんだろうからね。(^^)
珠早
チッ…俺は珠算部にはいるつもりだ。
…面倒くせぇ。
珠早は千樹の前に手を差し出した。
千樹
よろしくね、珠早くん。
千樹はその手を包み込むようにしっかりと握った。

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