部長達の挨拶が終わると大きな拍手が起きる。
競技がはじまった。
予定ではこうだ。
9:50-10:00 開会
10:00-11:30 個人種目
11:40-12:00 読み上げ算競技
12:00-1:00 お昼休憩
1:00-3:00 団体競技
3:30-3:45 読み上げ暗算
3:00-4:30 フラッシュ暗算
4:40-5:00 閉会 終了
といった内容だ。特にこの練習会のメインはもちろん、団体競技。
お昼休憩の空いた時間に各中学で順番を決める。
個人種目競技の内容はこうだ。
掛け算、割り算は全部で60問の問題を、
見取り算は全部で30問の問題を5分で解く。
そろばんの使用可。
当たり前だが、暗算でもいい。
60問の問題は20題ごとに桁数がかわる。
30問の問題は10題ごとにかわる。
見取り算で言うと、
1~10 6桁
11~20 8桁
21~30 10桁
*すべて10口
というものだ。
この大会はそろばんメイン。
絶対に満点を取れない問題。
それを含めての面白さというものだ。
どう考えてもそれを面白いと受け止めている時点で、ここに集まる人間は全員おかしい人だ。
他人から見れば、
『ただひたすら計算なんて、何が面白いんだ』
この言葉は大抵の
そろばんの面白みの分からない人間が
そのような軽率な発言をする。
ただ、この会場にはあちら側の人間という者はいない。見れば分かる。
──どの目も真剣だからだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。