合同練習会の翌日──
富貴家長男、富貴珠由は友達と遊ぶために家を出ようとしていた。
珠由がなぜ部活に行かず家に居るのかというと、只今テスト期間中だからである。
珠広も珠咲も8割以上の点数を目標に勉強中。
だというのに、今1番点数が悲惨な珠由が遊びに行こうとしている。
階段や廊下を駆使し何とか玄関まで来ることは出来たのだが…
ドアに手をかけた瞬間だった。
丁度、今出かけようとしていた珠咲に捕まってしまったのだ。
なんとか誤魔化そうとする珠由。
なんともシンプルな理由。
珠咲の顔にも疑問の表情が見られなかった。
と言うわけで珠咲も着いてくることになった。
今日の待ち合わせはデパートの正面入り口だった。
珠由と珠咲がいつも使うのも正面入り口だった。
──出くわしてしまう。
珠由は珠咲の腕を掴み強行突破。
その二人組は追いかけてくる。
丁度来たエレベーターに駆け込む。
彼らを何とかまいた。
2人は6階の文具店に入った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!