「...もう!!なんなのよ!!」
放課後のファーストフード店で、私は大声を張り上げていた。
「そんなカリカリしないで...落ち着きなって」
と苦笑いする未季を横目に、私はボヤいた。
「だってさ!!一也に少しでも釣り合いたくて、ダイエットもメイクもオシャレも頑張ったのに!!」
それは、数時間前ーー
「ごめん、芙美。別れよう」
「は?」
突然のことに頭が混乱する私を無視して、一也は言った。
「俺、今の芙美、あんまり好きじゃない」
ーーー
「...って、酷くない!?」
怒りを抑えきれない私に、未季は少し動揺して
「う〜ん...」
と言った。
「もういいよ!!帰る!!」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。