「どうした?何かあったのか?」
と、焦茶色の髪の着物を着た男性が彼女に話しかけた。
「さっき空から降ってきたのよ!」
どうやら、二人は知り合いのようだ。
「ん?降ってきた?空から?」
軽く聴き逃していたが、空から降ってきた?
「ええ...覚えてないの?...それより、どうして空から?」
ワクワクした瞳でこちらを見ている彼女に、彼は、
「落ち着け、瑠璃子。困っているだろう」
「だって御影!こんなの中々ないわよ!!」
「えっと、るり子さんと、みかげ、さん?」
と聞くと、
「これは失敬。僕は藤野 御影と申します。」
「私は、福王寺 瑠璃子です。あなたの名前は?...服も、少し変わっているようだけど...あなたは一体どこから来たの?」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。