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第6話

突然たっくんの口から出た言葉に耳を疑う。
今、死んだって言った?
死ぬってあの死ぬ?
あなた

なに冗談言ってんの笑

朝から悪い冗談だ。
笑いながら私は言葉を返す。
拓斗
冗談じゃねえよ。ほら。
たっくんが私の肩に触れようとした。
でも、その触れようとした手は私の肩をすり抜けてく。
目の前にいるたっくんのことを上から下まで見渡してみる。べつに透けてもない、足もある……でも、たっくんの言ってることは事実だっていう根拠がある。
世界の技術がどんなに進んでいたってまだ人間を透明にする薬やマントは開発されていない。
開発されるような事があればそれはノーベル賞を取れるほどのものだと思う。
ということは……たっくんが言っていることは……事実。

せっかく八年ぶりに……約束の日に会えたと思ったのに、死んだ。なんて言われて、あぁ、そうなんだね。なんて言える人この世界にいるのだろうか。少なくとも私には出来ない。
無意識に大粒の涙が溢れ出す。
拓斗
どうした!!
いきなり泣き出した私にたっくんが昔と同じように心配そうな様子で近づいてくる。
あなた

だって……だって、約束の日に会えたのに……。

思わず約束のことを口に出してしまう。
たっくん覚えてるわけないのにこんなことを言ってもただ本人を困らせてしまうだけだ……でも、気がついたら言葉にしてしまっていた。
拓斗
ごめん……。だから、今日会いに来た。約束は守ってあげられないけど最後にあなたに会いに来た。
目の前がもっとぼやけてたっくんの姿が霞んで見える。
約束を覚えてたくれたことも、会いに来てくれたことも、たっくんの言葉全てが私の涙腺をボロボロにしていく。
言いたい事たくさんあるのに何も言葉が出てこなくて、涙だけがとめどなく溢れ出す。
拓斗
車に跳ねられちまった笑
瞬発力には自信あったんだけどなぁ〜。
八年前と何も変わらない笑顔でたっくんがいう。
ねぇ、神様。なんでこんな意地悪するんですか?
やっと八年前に止まった時計が動き出したって思ったのに……大好きな人にまた会えたのに……なんでこんな形なんですか。
夢なら覚めてください。はやく……ねぇ。
私、七夕にこんなお願いした覚えないよ??
神様間違ってるんじゃない?
必死に心の中で叫ぶ。
でも、目の前の景色は何も変わらない。
あぁ……夢じゃないんだ。
また一つ自分の中で思い出が消えた。