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第9話

キリトリセン
拓斗
なあ、どこ行きたい?
あなた

んー、遊園地。

私は今まで生きてきてたった1度しか遊園地に行ったことがなかった。
小さい頃にたっくんの家族と私の家族と一緒に行ったたった1度だけ。
私の家は共働きだし、父親の休みが不定だったから家族で出掛けたという思い出がほとんどないのだ。
普通の女子高生は遊園地へ友達や恋人と行くのだろう。だが、私は今まで彼氏が出来たことがない。遊園地に一緒に行くような親しい友達もいない。
多分わたしは世間知らず。クラスの子たちが私のことを嫌がる一つの理由なのかもしれない。
始まりがちゃんと友達が出来てればこんな世間知らずにはならなかったのかもしれない。
始まりで間違えてしまえばもうどうしようもないのだろう。どこか1箇所を間違えてしまえばもうゴールにはたどり着けない。人生なんてそんなもの。
でも、たっくんと行ったその、たった1度だけの遊園地は今でも鮮明に覚えている。
キラキラしてて、私もたっくんも家族もみんなみんな笑ってた。
あの頃に戻りたいなんて不可能は言わない。
だけど、せめて最後にもう一度だけあの頃の笑顔で笑いたい。
私の恋物語を、ハッピーエンドとは言わなくても、バッドエンドでは終わらせたくなかった。
拓斗
遊園地か〜笑
うわ〜いつぶりだろ。楽しみ笑
イタズラな笑を浮かべて言う。
たっくんは私と行ったたった1度の遊園地なんて覚えてないだろう。それでも良かった。最初で最後のデートは、私のワガママ……自己満デートにさせて欲しかった。
だから、遊園地も、昔行った私の家からさほど遠くない所にした。

家から歩いて5分のバス停でバスに乗って、揺られること20分。
10年前と何も変わっていない遊園地に着いた。
どこも何も変わってないけど、所々錆びてたり、色落ちしてたり、やっぱり10年の月日を感じる。
入口で、高校生入場券を一枚だけ買う。
販売員のおばちゃんには、1人だし高校生だしで怪しい目線で見られたけど気付かないふりをして入場した。
入場ゲートを一歩潜れば、もうそこは夢の国、ほぼ直角の角度から落ちるジェットコースター、白馬やかぼちゃの馬車のメリーゴーランド、日常の嫌なことを全て吹き飛ばしてくれる不思議な場所。