その後も、チュリトリス食べたりジェットコースターに乗ったり、気がついたらお昼を過ぎていた。
園内を走り回って、普段使わない色々な部分を使ったのでもう私のお腹はペコペコだった。
目がチカチカするようなビビットカラーの売店に入ると食事だけではなく、お土産やおもちゃ、雑貨など幅広く置いてある。
自虐的に話すたっくんの言葉が耳に入ったけど、私は売店の一角に置いてある、あるものに目を奪われていた。
目的のものを指さす。
私が目を奪われていたものはリングだった。
でも、ただのリングじゃなくて温度によって、暑かったらオレンジ、寒かったら青っていう風に色が変わる不思議なリング。
ほとんど外に出ることがないから情報にも疎い。
このリングも初めて見たけどこんなに凄いものがあるのか……。
私が初めて人間に接した宇宙人のようにリングを眺めていると、たっくんがはっと閃いたようにたくさんある中の1つのリングを指さした。
満面の笑みで言うたっくんの言葉に驚きすぎてつい噛んでしまった。
幸いお客さんは私たちの他に誰もおらず、1人で叫んでる変な子というレッテルは貼られずに済んだが、たっくんの言った言葉がグルグル頭の中で回転する。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!