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第14話

涙の真実
時間がほんの一瞬に感じる。
いつの間にか陽も西の空に傾きかけていた。
拓斗
暗くなってきたな……そろそろ家帰らなきゃな。
あなた

……大丈夫。ママほんとは休みだったけど今日も病院出勤したから。

拓斗
あなたの父ちゃんと母ちゃん相変わらず忙しいんだな。
あなた

ママも看護師長だし、パパはお医者さんだから忙しくてもしょうがないんだよ!

頭一つ分大きいたっくんを見て微笑む。
拓斗
バーカ。しょうがなくねーよ。本当は寂しいんだろ?てか、寂しくねーやつなんていねーよ。
あなた

……。


言葉が出なかった。
寂しくないって、しょうがないって言い聞かせてた。
小さい頃から、誕生日も、クリスマスも、家族揃うことなんて有り得なくて、運動会や授業参観だってママもパパも一度も来たことなかった。
でも、本当はずーっとずっと寂しかったのかもしれない。
学校のことだって、自分の寂しさとか満足出来ないことを人にあたって紛らわせようとしてただけなのかもしれない。
" 寂しい "って感情さえも持ち合わせてない冷たい人間だと思ってた。
でも、たっくんのたった一言が、体の一部になりかけてた孤独論理とか、どこか胸の奥底につっかえてた何かをすべて流してくれた。
気づいたら、視界がぼやけてたっくんの顔も見えなくなった。
あなた

ずっと我慢してたのに……。

一日中ずっと笑顔でいることに必死になってたのに、それが涙で全部押し流されていく。
拓斗
ごめん……。
あなた

え?

拓斗
あなたが泣いてる時に俺こんな体だから何もしてあげられない……。
たっくんが悔しそうに俯く。
悲しそうな顔させないって決めたのに……ほんと自分が情けない。
あなた

たっくん、最後観覧車乗ろ!!


涙でくしゃくしゃの顔で、いつの間にか得意になった精一杯の作り笑いを向ける。
拓斗
観覧車?懐かしいな……乗ろうか。
きっと、こんな作り笑いたっくんにはお見通しなんだろう。
それでもいい。今はそんなことより笑って欲しかった。