無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第15話


夕暮れ色に染まりかける空。
ピンク色のゴンドラに乗り込む。
後ろに見える私とたっくんの育った街に背を向けるようにして座った。
膝が当たりそうなほど近い距離にたっくんがいる。
手を伸ばせば届く距離なはずなのに、どんなものより遠い存在に感じる。
拓斗
……俺、今日の朝事故にあったんだ。
俯きがちにゆっくりと口を開く。
あなた

……うん。

拓斗
大学のサッカーの朝練に向かう途中だった……信号無視してきた自動車に跳ねられちまった笑
あなた

……うん。

拓斗
まさか自分が事故なんかで死ぬとはな~!全く考えもしなかったからこんな姿になっててびっくりしたよ!
あなた

……。

拓斗
生きてれば来週から教育実習だったんだぜ?
あなた

教育実習……?

拓斗
俺、体育教師になりたかったんだ。
あなた

……。

何も言わなかった……何も言えなかった。
今日の朝……その時間に……その交差点を。
一つでも何かが違ってればたっくんの未来は変わっていた……助けられていた。
初めて聞いた……体育教師になりたかったんだ。
たっくんが体育の先生か……。すっごい慕われて楽しい授業してくれるんだろうな……。
でも、神様の意地悪のお陰でたっくんの未来はすべて奪われた。
神様……なんでこんな奇跡起こすの?
時間あと10秒遅ければたっくんは助かったんだよ……。一本違う道を通ればたっくんは生きてたんだよ……。
何もかもが私の涙腺をめちゃくちゃにしていく。