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第16話

あなた

ごめん……

声になったか分からないほどの声で謝る。
拓斗
なんであなたが謝るの……?
あなた

分からない……でも、ごめん。

拓斗
謝らないでよ……俺好きな子のそんな悲しそうな顔見たくない。
たっくんの口から出た "好きな子" という言葉が強く鼓膜を揺らす。
あなた

……好きな子?

拓斗
……うん。そうだよ。
今になって言っても遅いかも知らない。
でも、俺は……あなた。ずーっと小さい頃からお前がずっと好きだった。
思ってもみなかった言葉にフリーズする。
拓斗
ずーっとずーーっとすきだった。
かわいい妹みたいな子じゃなくて、一人の女の子として。
ボロボロの涙腺にさらに追い打ちがかかる。
あなた

……もっと早く知りたかった。

今じゃなくてもっと……ちゃんと向き合えた時に。
でも、たっくんがこうならなかったら会うことも無かったかもしれない……あぁ、幸せってなんなのかな。
拓斗
ほんとごめん……でもさ、俺ちゃんとあなたに好きって言わなきゃ心残りすぎて天国行けねえもん
あなた

ほんとバカ……

拓斗
あなたは?
あなた

え?

拓斗
俺のことどう思ってんの。
あなた

……。

拓斗
最後ぐらい俺のわがまま聞いてよ。これが最初で最後の俺のワガママ。
あなた

……愛していました。ううん、愛しています。
今も昔も何一つ変わってないよ。

ちゃんと言葉に出来たかはわからない。
でも、自分の奥でドキッと音を立ててたものを言葉にした。
拓斗
あー、これで俺安心して天国行けるわ!笑
たっくんが満面の笑みを見せる。
これがたっくんなりの優しさ。
絶対に悲しむ姿も、涙も見せない……でも、その大きな瞳は涙で濡れていた。
拓斗
あ、さっき最初で最後のわがままっていったけどもう一つわがまま聞いてくれる?
あなた

ん?私に出来ることなら。

返事をすると、たっくんはおもむろに私の正面に立った。
拓斗
……きっとまたすぐに会えるから。それまで待ってて。
あなた

私、飽き性だし、短気だからあんまり待たせないでね?

ちゃんとまっすぐ目を見つめる。
たっくんの瞳の奥に、ぼんやりと二人の未来が見えた気がした。

ゆっくりと目を閉じると、たっくんの顔が近づいてくる。
触れることは出来ないけど、確かに唇の温もりは伝わってきた。
初めてで終わりのキス。
夢のデートの終わりを告げるキスだった。