第22話
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スマホに表示されていた日付は、((7月7日))。
一度終わったはずの1日だった。
スマホが壊れたのかもしれない。
学校が終ったらケータイショップに持って行ってみよう。
スマホを充電器から抜き、制服へ着替えようとベッドから出ようとする。
え 、いまお母さんの声聞こえた……?
今日は7月8日だからお母さん早出のはず……休みは昨日なのになんで家にいるの?
頭でいろんな疑問が生まれ考えていると、遅い私を見兼ねた母が部屋に入ってきた。
七夕……今確かにお母さんそう言ったよね?
聞き間違えじゃないよね?
え、え、え、どういうこと……待って、頭がついて行ってない……私昨日7月7日過ごしたもん!
覇気もクソもない声で答える。
とりあえず学校に行きながら状況を整理しようと制服に着替えスクールカバンを手にした時、『ピンポーン』とインターホンが鳴り響いた。
そう言い残して40代とは思えない軽快な走りで玄関へ降りていく。
やっぱりおかしい……昨日の今日なはずなのにあんなにママがいつも通りなのも……昨日の病室から後の記憶も全くないことも。
七夕は別名((星合い))ということがある。
織姫様と彦星様が星をたどって1年に1度会う日が星合い。
そんな日に私の身に何が起こったんだろうか。
ただでさえ容量のない脳みそに今だけで速度制限が来そうだ。
コンピュータってどんなに難しいことでもちゃっちゃーって解いちゃって、人間の技術ってすげえなー。
……あれ、今日が七夕ってことはたっくんが……!!
急に1本の嫌な思考回路が活性化する。
お願い……!!間に合いますように!!
カバンも持たず階段を駆け降りる。
今は、学校なんて言ってる場合じゃない、大切な人自分の手で守るって決めたから。
玄関へ超特急で向かうと、玄関には知らない誰かが変えた未来があった。