二人での空き教室。
匠に告白されたあとのこの空気はなんとも言えない。
匠は外を見ている。
梨花はその背中をぼーっと眺めている
匠「なぁ、梨花」
梨花「ん?」
匠「いや、やっぱりいいや」
梨花「えっなになに?」
梨花は匠に近づく
梨花「なに、匠、ひゃっ」
匠の顔が目の前にある。
どうやら、梨花は匠の上に倒れたよう
梨花「ごめん、匠」
梨花は匠から離れようとする。
でも、匠はわたしの腕をつかんではなさない
匠「キスしたい」
梨花「えっ……」
匠「さっき言おうと思った事」
梨花「あっ」
匠は梨花の目を見つめる
その目は本気だった
梨花の答えをまっているみたいだ
梨花「好きにしていいよ」
そう言ったら、されるに決まってるのに
梨花は断らなかった
匠「じゃあする」
梨花「……うん」
チュッ
匠のキスはとても優しく暖かかった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。