目の前でされたキスに、
私は吐き気を覚えた。
あいつは私をあの口で…
こんなこと言っても、行ってらっしゃい、なんて返してくれる人はいない。
学校についた私に
たくさんの人がおはようと言ってくれる。
私はにっこり笑って返した。
この人達だってどうせ、私の外見だけ見るんだ。
中身に触れようとしない。
何も感じ取ってくれない。
どうせ仲良くして、本当の事言ったら、離れていってしまう。
だから、心の底から友達だと言える人はいなかった。
上辺だけ。
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なんか、気分が悪い。
もし、あの有名女優さんがいなかったら、またヤラれる。
汚れてるから。もういいのかな。
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あ。やっぱり汚れているんだ私。
汚れ物を扱うの楽しいのかな。
私なんて生まれなきゃ良かった。
いらない子だ。汚れている子だ。
消えてしまいたい。
プルルルル
行こう。
思わず外に出ていた。気分が悪い。ものすごく。
私は歩いた。
どこへ向かうのかも、目的も、お金も、何も無いまま。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!