あのあと、ずっとずっと、犯されていた。
気付けば、また自分のベッドの上。
誰の気配もない。
手と首には跡が残っていて。
色んな所に痣ができていた。
背中の傷は今も激しく痛む。
私は初めて、助けてと口に出していた。
誰もいない部屋で。
もうこんなところから逃げたくて仕方なかった。
なんで、死のうと思わなくなったんだろう。
ああ、そうか。
シルクさんたちを知ってしまったからだ。
無心でシルクさんに電話をかけていた。
プルルルル、プルルルル、プルルルル…
出ないか…そう思って切ろうとした時、
理由はわからない。
ただ、シルクさんの声を聞いて泣いてしまった。
そう言って切れた電話を見つめて
ひたすら、ごめんなさいと、謝っていた。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。