俺は放課後に遊びの約束をした。
でも、あの子は乗り気じゃなかった。
なんでだ?誘われて嬉しくなかったのかな?
無理させてないかな?
なぜか俺は、しなくてもいい心配をしてしまうくらいあの子に気を遣っていた。
そんなことを考えながら待ち合わせ場所で待っていたら、あの子が走ってきた。
そう言うと彼女は微笑んだ。
ん、なんで俺ちょっとドキドキしてんだ?
別に好きでもないのに。
少し緊張したまま、俺はあなたと色んなところで遊んだ。
俺の呟きが聞こえなかったのか、あなたはキョトンとした顔で俺を見た。
なんなんだよ、ほんと…
また心臓がドキドキして、不思議な感覚になった。
まるで、恋をしてるかのような…
ああ、またその笑顔…
俺は完全にあなたに惚れてしまっていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。