誕生日会の翌日、僕とリュウは新たな任務を命じられた。
1ヶ月程前に起きた交通事故。
その周辺で歴史干渉が行われたからだ。
僕達の任務はその犯人を捕まえること。
それ自体は上手くいった。
現に僕の目の前にその犯人はいる。
問題なのは、犯人が僕達と同年代の少年だったこと。
上が同年代の方が話しやすいだろう、と判断したのはまぁ、分かる。
だから、僕とリュウが事情聴取をすることになっている。それも分かる。
「おい、ガキ、いい加減話せ」
「アンタもガキじゃねーか!つーか、アンタに話す筋合いねーし!」
「俺は15だ。ガキじゃねー。それに、お前に話す筋合いが無くてもこっちは仕事だから聞かなきゃならない。お前の話に興味無くてもな」
そして、そろそろリュウのイライラが最高潮に達しそうになっている。
しかも犯人さんはそのリュウ相手に臆する様子すら見せない。どころか、反抗している。
あぁ、何でこの2人はこんなに険悪何だろう?
そりゃあ、ついさっきまで自分を追い回していた人相手に、何であんなことしたんですか?教えて下さい、なんて言われても無理な注文だと思う。
でも、いやだからこそ、せめて言い方ってものがリュウにも有っただろう。
完全に犯人を刺激してしまっている。
リュウと換わりたいけど、口を挟むタイミングがわからない。
もう何か嫌になってきた。
取り敢えず、身辺調査とかを先にしてしまおうか。
それかほとんど無いけど分かってることだけ先に本部に報告してしまおうか。
僕の思考が堂々巡りし始めた辺りでリュウが漸くこっちに話を振ってくれた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。