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第10話

時空警察本部 牢
11
2018/01/09 10:57
翌日。

今日こそ聞こう。そう決意して4回目。

牢の前にいる。

「また?」

「うん」

今日もケント君にうんざりした目を向けられた。


「アンタさ。家族じゃ無くても、大事な人とかいるだろ?」

「………………………」

「居ないんだ?」

返す言葉もございません。
またもや会話の主導権を奪われた気がする。

「あの、一緒にいたヤな感じのやつは?違うの?」

「リュウは……………相棒、かな?」

「いや、相棒って大事じゃん?」

「リュウが16歳になったらお別れだし。そんなに」

「アンタ意外と薄情だな」

「そう?」

「そうだよ。だから家族の大事さもわかんねーんじゃねぇの?」

鬱陶しそうなケント君の口調。

それを言われて何も言えなくなった。
ケント君は今はもう居ない家族のことを大事に思っているのだろうか?

僕にとって家族は未知の存在だ。
大事な人なんて言われても、僕にはそんな人は居ないだろう。
自分の命をかけられる程の人とは、どんなものだろうか?

分からない僕が可笑しいのだろうか?

今まで自分が何かに対してこんなに興味を持ったことが有っただろうか?

家族のことは知らないはずなのに、何故か自分が知っているような気がして、彼に聞けばその理由も分かるかと思った。

それも気のせいだったのかも知れない。
結局分からない上に、迷惑がられている。明日からはわざわざ来る必要も無い。

そこまで考えて僕はケント君に声をかける。

「ごめん。もう、来ないよ」


じゃあね、そう言って出ていった。
待って、って声が聞こえた気がしたけど振り返らなかった。

きっと、もう会うことも無いだろう。



寂しさは感じなかった。